同性婚訴訟違憲判決の全文解説
2021年3月17日、日本で初めて同性婚不受理を違憲とする判決が出ました。
場所は札幌地裁、原告は複数の同性カップルの方でした。
その判決は以下のようなもの。
- 同性婚の婚姻届を不受理とすることは憲法14条について違憲である。
- しかし憲法13条、24条については違憲ではない。
- 不受理自体は違憲であるが、同性婚の議論が深まってきたのはごく近年であり、違憲を長年放置したとは言い切れないことから賠償は棄却する。
判決 原告の請求棄却、国の勝訴
同性婚を違憲と認めつつも、賠償請求は棄却されたため、勝者である国は控訴がおいそれとは出来ない状態に追い込まれました。
※なお「賠償請求」とはいいますが、これは日本の裁判で違憲を訴えようとなると、違憲だけでは困難であり、多くの場合「お金が絡む」ものにしなければ民間人が訴えを起こすことは出来ない状態にあるためです。お金が主目的というわけではありません。
この画期的な判決は、あくまで地方裁判所という下級の裁判所が出したものであり、今すぐに国に動揺を与えるものではありません。
しかし、一定の猶予が有る「違憲状態」(ぎりぎりアウトで、国会による修正まで待つニュアンスが有る)ではなく、素早く是正を考える必要がある「違憲」(現時点でアウトというニュアンス)という表現は衝撃でした。税金で無尽蔵に法律の専門家を使える国を相手に、地方裁判所で憲法判断を出させるというのは実にドラマチックです。
この札幌地裁の判決文は、現在、原告の支援サイトで公開されています。
法律というのはわかりにくいものですが、今回の判決は日本の結婚の形を大きく変える可能性を秘めています。そこで少しでもその理解の助けになればと、ざっくりとではありますが全文をまとめ、ここに置いておきます。
願わくば、よりよい未来が来ますように。
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「大和川国際飛行場」大阪南港、幻の国際空港計画
現在は「大阪国際空港」といいつつ、実際は主要部が兵庫県伊丹市に所在し、すでに国際線の発着もない伊丹空港。昔から「大阪だけど伊丹」だったと思われがちですが、実際には戦前、文字通り大阪市にも空港がありました。その名も「木津川飛行場」。現在の大正区に存在した、水陸共用の空港です。
そしてこの木津川飛行場だけではなく、「伊丹に対する関空」のように大阪(しかも市内)に国際飛行場を追加で建設する計画も存在していました。
便利そうなのに、なぜ木津川飛行場は伊丹へ遠のいたのか。なぜ戦前のハブ空港計画は頓挫したのか。
……詳しくはのぶさんがまとめてくれそうなので、ここではそれについての自分の知っている話と、ネットで簡単に見つかる資料を整理しておこうと思います。
追記:めちゃくちゃわかりやすくまとめてくれた記事がこちら↓
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