【悲報】JR西日本の回数券が発売終了へ

今日、JR西日本ICOCAサービスエリア内の普通回数券を全廃するとの発表をしました。

販売終了日時は2021 年9月 30 日(木)の営業終了時間となります。またそれまでの購入した回数券は、払い戻し対応はなく3ヶ月有効となるとのことです。

例外はありますが、実質的に関西の金券ショップできっぷを買う文化は終りを迎えそうです。

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ICOCAエリア内の普通回数券は9月で廃止

 ニュースリリース PDF注意

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210331_02_icoca.pdf

 

 廃止される内容

今回廃止されるのは、JR西日本ICOCAサービスエリア内の駅の相互間で使用できる普通回数券(11枚綴りのもの)です。

ICOCAサービスエリアはすでにJR西日本のほとんどの地区へと拡大しており、山口方面や鳥取方面など一部例外を除くほとんどの線区で回数券は廃止となる見込みです。またICOCAの導入がない地区でも、今後ICOCAエリアの拡大が見込まれ次第、回数券は無くなるようです。

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ICOCAサービスエリア(21年4月現在)

代替サービス

回数券の廃止に伴い、JR西日本ICOCAPiTaPaで導入している利用回数還元サービスを拡充するとしています。

ただこれらのサービスは「10回以上同じ区間を乗車した場合に」「11回目以降の運賃を」15%だけ割引するものなので、回数券自体の代替になるかというとかなり怪しいもの。

また同じ区間をこの通り11回乗車した場合でも、割引額は8割程度少なくなります。

たとえば回数券で200円の区間を11回乗った場合、支払いは2000円

しかし利用回数還元サービスでは2170円と、ほとんど割引はありません。

加えて、京都~大阪と京都~尼崎をそれぞれ5回利用するなど、異なった運賃区間を多数利用する場合には全く割引はありません

かつての昼特きっぷ区間のように時間帯指定ポイントが効く区間もありますが、実質的な値上げと言って良いでしょう。

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時間帯指定ポイントが効く区間は多少お得になる

 

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利用回数割引について

発売が続くもの

現時点でICOCAサービスエリア外となる山陰地区や、私鉄やJR他社との連絡きっぷの回数乗車券、新幹線を経由とするよう指定した回数乗車券は発売が続きます。

障害者向けのものや、放送大学生向けの通学用の回数券なども発売を継続します。

 
割引率は変わってきますが、例えば姫路~大阪間や京都~大阪間などは、新幹線を経由に指定することで回数券の購入自体はできそうです。1ヶ月で11回も使わないが、3ヶ月でなら使うという方にはこの方法が良いでしょう。

割引率について

大阪~新幹線~京都は特定区間なので9枚で11枚というお得さが残りますが、大阪~新幹線~新神戸では着駅が異なるためそうはならないと思われます。また前者も、回数券廃止に伴って制度が改変される可能性もあるでしょう。

 

廃止理由について

今回はICOCAポイントサービスの拡充が主な理由とされましたが、ひとつには金券ショップに利益を取られている側面や、クレジットカード現金化の温床になっている側面が有ることも考えられます。

前者は回数券自体の売れ行きが有るために黙認されているところがありますが、後者についてはJRとしても手数料を取られますし、かといって回数券だけ現金取り扱いとするのも難しかったのかもしれません。 

 

他社は?

現時点では、JR他社で回数券そのものの発売終了まで踏み込んだ会社はありません。

私鉄だと、ちょうど今月に回数券が通用停止になった京阪電車があります。京阪電車も関西の会社であり、JR西日本もそれに続いた形と言えるでしょう。

 

ただ途中で書いたように、回数券であれば可能だった使い方で、ICカードでは不可能なこともまだまだあります。実質的な増収策といってしまえばそれまでですが、中には数千円単位で利用していたミドルユーザーもいることでしょうから、例えばPiTaPaの利用額割引のようなサービスを拡大していってほしいものです。